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循環器内科

基本方針

循環器内科の理念

  • 1) 私達は自分たちのカバー範囲においては決して救急患者さんをお断りしません。
  • 2) 私達は決して患者さんに治療を無理強い致しません。患者さんの状態に応じベストと思われ
      る治療の選択肢を説明し、インフォームドコンセントを大切にします。
  • 3) 常に可能な限りベストの治療を提供できますよう努力致します。
  • 4) 患者様の立場に立ち、医師側のひとりよがりの治療にならないよう最善を尽くします。
  • 5) 夜と昼の治療の質の差がないよう努力いたします。
  • 6) 地域のかかりつけ医との連携を密にとり、協同して治療にあたります。
    2人主治医制

受診に際して

中部病院には6名の循環器内科専門医がおり、年間約1200名の入院患者、のべ約1万人の外来患者さんの診療を行っています。担当する病気の種類は、狭心症、心筋梗塞などの虚血性心疾患(心臓の栄養血管が詰まる病気)が最も多く、ついでうっ血性心不全(心臓の筋肉が弱り、息切れやむくみがおこる)、大動脈解離(大動脈の壁が裂ける)、不整脈などです。

循環器内科の特徴

  • 1) 救急疾患・重症例が多い
  • 2) 薬による治療のみならず、カテーテル治療(風船、ステントなど)、ペースメーカー治療
     (永久ペースメーカー、再同期療法など)、心臓血管外科治療(もちろん外科の先生が)を
      積極的に行っています。
  • 3) 24時間カテーテル治療が可能
  • 4) 血管外科チームとの綿密な連携で緊急心臓手術が可能です。
受診に際して

1. 急に胸が苦しい、胸が痛い、動悸がする、息が苦しいなどの症状があるとき

我慢せず、自分で判断せず、直ちに救命救急センターを受診して下さい。心臓の血管が詰まる病気や不整脈が原因かもしれません。特に胸痛、圧迫感で冷や汗を伴う場合は重篤な心臓病の可能性が高いのです。

2. 症状があるが、既に治まっている場合、又は急がないと思われる場合

循環器内科外来を受診ください。かかりつけ医の紹介状があれば望ましいですが、紹介状なしでも対応いたします。各スタッフの外来につきましては別紙参照下さい。
疑問な点がございましたら、地域医療連携室にご相談下さい。

3. 他医での治療について聞きたいとき

セカンドオピニオンも積極対応しています。あらかじめ地域医療連携室をとおして、時間予約して頂けますとゆっくり説明の時間をとったり、資料に目を通したりする時間がとれ、より質の高い対応が可能になります。

診療内容

中部病院では一般治療のほか以下のような特別な治療も行っています。

中部病院で出来るカテーテル治療、非薬物治療

1) 冠動脈カテーテル治療

2) 不整脈の治療

3) 心不全の心臓再同期療法

4) 僧帽弁交連裂開術(PTMC)

5) 経皮的大動脈弁形成術(PTAV)

6) 肥大型閉塞性心筋症に対する心室中隔アルコールアブレーションまたは手術療法

7) 閉塞性動脈硬化症に対するカテーテル治療

8) カテーテルアブレーション

9) 心臓外科治療

 

1) 冠動脈カテーテル治療

狭くなった心臓の栄養血管である冠状動脈を風船にて拡げる治療(またはその応用)のことで、狭心症、心筋梗塞の患者さんに行われます。局所麻酔のあと手首または肘や足の付け根の血管から、カテーテルという細いチューブを心臓の血管の入り口まで入れ、そのカテーテルの中から小さな風船を狭くなった冠動脈まで進めた後、風船を膨らませて押し広げます。場合により、ステントという金属のネット状のチューブを血管の中に留置します。必要であれば、動脈硬化におちいった組織を器具で切除することもあります。血管の壁が石のように硬ければ、ドリルで削ります(ロータブレーター)。

カテーテル治療総数としては、年約300人であり、県内でも有数の経験を誇っています。またロータブレーターは施設認定が必要であり、県内各地から重症の患者さんが紹介されています。治療に要する時間は30分から2時間程度で、入院は約2-4日です。

特に強調したいのは、心筋梗塞に対する緊急カテーテル治療です。
当院のカテーテル治療のうち約3分の1(年65-90例)は心筋梗塞に対するカテーテル治療です。
この病気は発症してから、いかに早く詰まった血管をひらくかが勝負のわかれめです。
当院では典型例では約60分以内にカテーテル治療開始し、詰まった血管の血流を再開することが可能です。また多くの病院が、カテーテル治療と大動脈内バルーンポンプ(補助循環の1つです)までしか対応できないのと比較し、当院では加えて、経皮的対外循環(PCPS)及び、緊急バイパス手術まで可能です。緊急治療は、6人の日本心血管カテーテル治療学会認定医(うち専門医2名)が交代して担当しています。

近年の治療実績をお示しいたします。

循環器内科実績.png

CAG_PCI.png

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当院では再発の少ない薬剤溶出ステントを積極的に使用しており、待機症例のステントの90%以上はこの薬剤溶出ステントを用いています。

2) 不整脈の治療

生命に危険がある重症の心室性不整脈については、植え込み型除細動器(ICD)の植え込み手術を2004年から導入しております。また除脈性不整脈(脈が遅くなり、気を失う)については、永久ペースメーカー移植術を行っています。実績は上の表のとおりです。

3) 心不全の心臓再同期療法

心不全はいろいろな原因で起こります。弁膜が狭かったり、ゆるかったりするのが原因なら、通常、手術で弁膜を取り替える(弁置換)または修復する(弁形成)など開心術が行われますし、虚血が原因なら、バイパス手術または風船治療が行われます。また各種薬剤は必須です。心不全患者様の中で、拡張型心筋症で、心電図上左脚ブロックを伴う患者様には心臓再同期療法を施行しています。これは心臓の収縮(筋肉が縮むこと)のタイミングを揃えることで、弱いなりに効率の良いポンプにするため、通常の右心室のみならず、左心室側にもペースメーカーワイヤーを入れて、同時にペーシングします(両心室ペーシングともいいます)。この手技も施設認定が必要で、当院は認定されている施設の1つです。

4) 僧帽弁交連裂開術(PTMC)

弁膜症は心不全を合併するくらい重症になると手術(弁置換または形成)が行われますが、僧帽弁狭窄症では風船を用いたカテーテル治療が行える場合があります。これはソケイ部から挿入した風船で、狭くなった僧帽弁を押し広げる治療で、当院では約80例の経験があります(沖縄では最多と思われます)。この治療で、手術をせずに済むか、手術までの時間を遅らせることができる場合があります。

5) 経皮的大動脈弁形成術(PTAV)
6) 肥大型閉塞性心筋症に対する心室中隔アルコールアブレーションまたは手術療法

肥大した心臓内の筋肉が血液のポンプを妨げ、息切れ、失神などを引き起こすことがあり、このような病気で薬の効き目がない場合、その筋肉を養っている血管をアルコールを注入して、筋肉を人工的に破壊し、血液の流れをスムーズにする治療です。

7) 閉塞性動脈硬化症に対するカテーテル治療

腎臓、下肢、上肢の血管の詰まりを、カテーテルを用いて拡げます。2006年より本格的に導入し、現在積極的に行っています。

8) カテーテルアブレーション
9) 心臓外科手術

バイパス手術、弁置換手術、弁形成手術、大血管手術、先天性心疾患手術などほとんどの心臓手術が可能で、症例経験もきわめて豊富です(年間約150例:県内で1、2を争う症例数です)。他病院では見られないような内科と外科のチームワークで手術や術後管理が行われています。
詳しくは心臓血管外科のページをご参照下さい。

スタッフ紹介

平田一仁
和氣稔
高橋孝典
屋宜宣仁
仲里淳
宮城唯良

後期研修プログラム

循環器後期研修案内

内科後期研修プログラム循環器病専門医コース

私達は、当コースで、地域の中核病院で内科医としての任務を果たしながら、なおかつ、subspecialityとして循環器内科全般の診療が出来る医師の育成を目指しています。またPGY5以降も研修を続ける場合には、離島で心筋梗塞に対して緊急PCI(経皮的カテーテル治療)ができることが目標です。

沖縄県において、都市部を除く沖縄本島各地域や先島(宮古島、石垣島)は、人口5-10万人の医療圏であり、その地域の中核病院は200-300床、内科医は数人から10人ほどです。そこで必要とされる内科医は、いわゆるcommon diseaseを中心とした内科全般の診療が出来る力と共に、自身のsubsprciality以外の領域の診療を厭うことなく行う態度を身につけ、なおかつ、お互いに内科の各専門領域を分担、カバーしあう事が出来る内科医です。このような、中核病院で要求される任務に堪えうる、内科医としての広い臨床能力と柔軟な適応能力を持持ちつつ、かつ循環器内科医としての専門的治療が行える医師の育成を目指します。

研修は3-5年間(PGY3-7)とし、最初の1年間(PGY3)は、循環器、消化器、呼吸器、腎臓、感染症、綜合内科等の内科の各分野をローテーションしてもらいます(循環器内科は3ヶ月程度)。後期研修から当院に入り、まず当院のシステムや救急当直になれる必要がある場合は、短期間、初期研修プログラムに編入してもらう場合もあります(2-3ヶ月PGY2として病棟で患者担当医となります)。
2年目(PGY4)からは循環器内科のフェローとして循環器内科中心の研修となります。
1年目(PGY3)は内科後期研修医の一員として、救急室や内科病棟の当直がありますが、2年目(PGY4)はCCU当直および緊急オンコール行います。そして3年目(PGY5)には、離島研修として、沖縄県の地域中核病院で、内科+循環器内科として、実践的な研修を積んでもらいます。もちろん、配属先の中核病院には、必要に応じ当院スタッフが指導医としてバックアップします。
3-4年目(PGY5-6)は、希望すれば、心臓カテーテル検査およびPCIを中心にした研鑽をつんでいだだき、4-5年目(PGY6-7)で離島で独立して緊急PCIの術者として、経験と自信を深めることもできます(ただし、当院初期研修から上がってきたドクターで希望者が多い場合は、希望に添えないこともあります)。
3年目(PGY5)で離島勤務後(このレベルではPCIは難しいと思います)また当院で4-5年目(PGY6-7)にPCI研修を行うことも可能です。できれば、PCIまでできるようになってから離島中核病院に赴任したほうが得るものは多いと思います。新内科専門医制度については対応中です。
以下に当院の特徴をまとめます。

① 豊富な症例

入院患者1200名/年以上

心カテ・冠動脈造影約800例/PCI約300例(うち1/3が緊急)

心エコー約3500例、ペースメーカー約50例、心臓再同期療法、植え込み型除細動器、カテーテルアブレーション(現在build up中)

② 施設認定

特殊手技

ロータブレーター、両心室ペーシング、植え込み型除細動器

認定研修施設

日本循環器学会専門医研修施設、日本心血管インターベンション治療学会認定研修施設

循環器科後期研修

PGY 7:中部病院または離島中核病院での循環器専門研修
(PTCA含む)

PGY7

PGY 6:中部病院または離島中核病院での循環器専門研修
(PTCA含む)

PGY6

PGY 5:離島中核病院または中部病院での研修
(PTCA含む)(12ヶ月)

PGY5

PGY 4:循環器科 (8-10ヶ月)

他科ローテーション
(3ヶ月)

ハワイ大

PGY4

PGY 3:CCU含む内科ローテーション (12ヶ月)

PGY3

初期研修

PGY 2:内科ローテーション
(9ヶ月)

他科ローテーション
(3ヶ月)

PGY2

PGY 1:内科ローテーション
(3ヶ月)

スーパー・ローテーション
(9ヶ月)

PGY1

注)5年目で離島赴任の場合はPCIは指導医応援時の待機症例のみとなります。
5-7年目は順番を入れかえられます。
3年目の終了後、当院での研修を終了し、他の施設に移られることも可能です(九州地区有名施設紹介可)。
内科認定医専門医、循環器学会専門医、インターベンション治療学会認定医取得可。ただし学会在籍年数の基準がありますので、卒業後すぐ目指す専門の学会に早めに入会することが必要です。
PGY3以上の方でも編入可能ですが、原則当院でのPGY3からのスタートとなります。ただし経験によりこの限りではありません。
当院初期研修者から2名以上循環器後期研修希望者がいる場合は、枠は無いこともあります。

 

中部病院循環器後期研修でできることおよび目標

1)心カテ冠動脈造影:PGY3で3ヶ月以上ローテーションする場合は術者可能、長期研修者は優先、PGY4以上は年200例を目標

2)心エコー:術者、待機・緊急ふくめ、月約100例以上(能力により差あり)

3)カテーテル治療:PGY3は助手、PGY4後半からはカテの習熟度に応じ、術者となることも有る。PGY5以降は術者可

4)CCU当直を通じ、救急患者の治療が豊富に学べる。(スワンガンツカテ・Aライン)

5)最終的にPGY4終了時、一人でカテ・心エコーができ、循環器の日常診療ができることが目標

6)PGY5以上では、PGY6時点で心筋梗塞の緊急PCIができることを目標とする。

7)循環器専門医・インターベンション学会認定医取得を目標とする。

 

私達は、研修終了後も沖縄で共に働いてくれる人材を必要としていますが、自身の地域で内科医かつ循環器内科専門医として実地臨床に邁進したい研修医の先生方も歓迎しています。
県外で初期研修を受けたが、沖縄で将来は臨床をやりたい方、特に離島での緊急PCIを含む循環器専門治療を経験したい方、当院でぜひ勉強してください。
また沖縄県出身以外の方でも若いときにしばらく沖縄で研修してみたいと思う方も歓迎いたします。

地域の第一線で診療に携わるつもりのない方、循環器科疾患以外には興味が持てない方、には当コースは薦めません。より専門的な研修の出来るプログラムをお探し下さい。