病院見学実習
当検査科は検体検査室、細菌検査室、病理検査室及び生理検査室の4部門に大きく分かれています。検体検査室は血液学的検査、生化学的検査、血清学的検査、輸血検査、一般検査及び採血業務を包含しています。 チーム医療の一員として24時間体制で臨床検査を行うとともに離島診療所からの検体にも対応しています。
1.私たちは、常に迅速に正確なデータを提供します 2.私たちは、常にすべての患者様に対し、誠実で柔和な対応で望み、信頼される検査科を目指します。 3.私たちは、絶えず探究心を持ち続けます。 4.私たちは、常にコストと収益性を意識します。 5.私たちは、常に和を尊重し、協調する検査科を目指し、チーム医療に貢献します。
新型コロナウイルス感染症のPCR検査で知名度が少し上がった臨床検査技師ですが、臨床検査技師になるには国家試験に合格する必要があります。大学の保健医療系学部や短大または専門学校で所定のカリキュラムを履修した人に受験資格があります。当検査科の20名を含めて沖縄県立病院では約130名の臨床検査技師が働いており約8割は琉大保健学科卒です。臨床検査技師は病院の他にも検査センターや研究所や試薬会社などでも働いています
検体検査部門では、患者様から採取された検体(血液、尿、体液など)を用いて成分を分析したり、調べたりしています。大きく分けて輸血・血清検査、生化学検査、血液検査、一般検査の4つに分けられており、臨床検査技師6名で行っています。 また、内科外来以外の外来(人間ドックを含む)の採血も検体検査室内の採血ブースで行っています。 輸血・血清検査 輸血検査では、主にABO血液型、Rh血液型、不規則抗体を調べる検査を行っています。ABO血液型、Rh血液型は輸血する際に絶対に間違えてはならないため、自動分析装置(機械によるもの)と試験管法(検査技師が手作業で行うもの)で2回検査して血液型を確定しています。不規則抗体検査ではABO以外の様々な血液型に対する抗体を持っていないか調べる検査を行っています。 手術や出血、病気などで輸血が必要となった際は血液型検査と不規則抗体検査の結果をもとに、患者様に適した血液製剤を選択し各病棟に払い出しています。
また、血清検査では血液を遠心分離して得られたうわずみ(血清といいます)を用いてその成分を調べます。検査は主に自動分析装置で行い、項目は以下のようなものがあります。
生化学検査 生化学検査では、主に血液を遠心分離して得られたうわずみ(血清といいます)を用いてその成分を調べます。検査は自動分析装置で行い、項目は以下のようなものがあります。
血液検査 血液検査では、血液中の白血球、赤血球、血小板の数を調べて炎症や貧血などがないか調べる検査を行っています。また、血液の固まりにくさ(血が止まりにくい)、あるいは固まりやすさ(血栓ができやすい)を調べる凝固検査を行っています。血液サラサラのお薬を飲んでいる患者様のモニタリングとしても使われています。
さらに血液をスライドグラスにうすく塗りつけて染色したあと、顕微鏡で血液細胞の形を観察し、細胞を分類したり、異常な細胞がないかを確認する検査を行っています。
一般検査 一般検査では、尿や便、腹水などの体液を用いて検査を行っています。 尿検査では尿中の蛋白、潜血、糖を自動分析装置で分析し、腎臓や尿路の異常、糖尿などの全身の異常を調べています。また尿を顕微鏡で観察し、細菌や細胞が出ていないか調べています。 便検査では潜血(消化管の病変を調べる)や、寄生虫(主に糞線虫)の検査を行っています。
測定された結果の確認、機械が24時間365日正しく作動するよう日々のメンテナンスや調整も臨床検査技師の重要な任務です。患者様に正確なデータを提供するために担当技師は縁の下の力持ちとして日々頑張っています!
12誘導心電図 心電図検査は心臓の動きによって起こる電気的信号を皮膚につけた電極から検出し、波形として記録し、不整脈や狭心症・心筋梗塞といった診断に役立てます。
トレッドミル検査 心電図を体に取り付け、運動してもらいます。運動によって心臓に負荷をかけ、安静時ではわからない心電図の変化を調べ、狭心症などがないか調べます。
ホルター心電図、イベントレコーダー、携帯心電 携帯タイプの機器を装着し、持ち帰ってもらい24時間~2週間の心電図を記録する検査です。入浴以外の日常生活でどのような心電図の変化があるか調べます。
呼吸機能検査 肺活量や肺の柔らかさ、吐き出す力などを検査します。それによって肺や気管支の障害の有無や程度、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の有無を検査します。また、全身麻酔下で行う手術の前の呼吸状態を把握するために行ったりします。
脳波検査 脳が発するわずかな電気信号を波形として記録し、脳の活動状態を調べる検査です。頭や耳、手に電極を貼り付け、静かに眼を閉じて横になっていることが必要です。てんかんの疑いや痙攣、意識障害、行動異常がある場合に行います。眠っている状態にてんかん波が出現しやすいため、小児の場合には睡眠導入剤を使用する場合があります。
超音波検査 超音波検査とは、人間の耳に聞こえない非常に高い周波数の超音波を体内にあて、臓器から跳ね返ってくる音波を、コンピュータ処理して各臓器の状態を画像として見る検査です。放射線を扱う検査ではないので、人体に無害で、リアルタイムに画像を把握できます。 生理検査室では心臓の動きや血液の流れを調べたり、肝臓や胆嚢などをみて腫瘍や結石の有無を調べたり、甲状腺や乳腺の異常、さまざまな臓器の検査を行えます。
聴力検査 さまざまな高さや大きさの音を聞かせて、どのくらい聞こえるかを調べる検査です。この検査は被験者が協力的であることが必須なため、乳幼児、意識低下のある方、非協力的な被験者に対しては聴性脳幹反応(ABR)を行い、聞こえているかどうかを直接脳の反応で調べます。 また、生後3日から退院までの新生児に対し、新生児聴覚スクリーニング検査(aABR)も行っています。
微生物検査とは、尿、喀痰、血液、膿、便などの臨床検体から感染症の原因となる微生物(細菌、真菌、ウイルス)を見つけ出す検査です。検体が尿だったら尿路感染症、喀痰だったら肺炎、便だったら食中毒や下痢の原因菌を探ります。
検査の流れとしては、提出された検体から菌を増やす作業(培養)を行い、感染症の原因微生物を推定し、名前を特定します(同定試験)。さらにその微生物に対して抗菌薬がどの程度効くか調べる検査も行います(薬剤感受性試験)
また、新型コロナウイルスに対する抗原検査、PCR検査も実施しています。
細菌検査技師は、その他にもICT(Infection Control Team:感染制御チーム)に所属し、医師、看護師、薬剤師らと共に日々院内の感染防止対策に努めています。