本永英治

沖縄県立宮古病院 院長 本永英治


 昭和25年1月に宮古民政府立結核療養所として産声をあげた宮古病院は、今日まで67年間の時代の流れの中で医療の提供のあり方は変化してきました。時代と共に医療のニ-ズも変わっていく中で変わらないものもあります。それは医療の本質は「地域住民と共に歩む」ということと、「高品質医療の提供を求めていく」ということに尽きるということです。

 我々宮古病院スタッフは、宮古島という地理的地域特性を生かして、「患者中心の医療の考え」を展開できる素晴らしい環境で仕事しています。素晴らしい環境とは、病院スタッフと患者との距離的生活空間が近く、患者に関する情報が得やすいということです。そのことは何でもないように思いがちですが、実は高品質医療を展開する上で大変重要な事柄です。患者一人一人の個人史・人生の歩み、患者の家族関係、患者の働く職場環境などが目に入り易く分かり易い、ということは何よりも宝だということです。

 このことは一人一人にふりかかってくる「やまい」を理解し、患者の苦しみを分かち合うことで患者に寄り添い、共に乗り越えていける医療スタッフ-患者・患者家族との信頼関係を構築できます。真の共感する(寄り添う)医療に繋がるということです。

 私はこのような宮古島という地域特性を有利と捉え、さらなる高品質医療の達成へ向けて日々活動するのもまた私たちの使命(ミッション)と考えています。

 高品質医療の達成には、知・技・学を重視し、各々の分野における道具と技術の達人になるよう修行すること、薬・器具や機器・手先の熟練度を増していくよう日々修行すること、それは安全な医療の提供に努める(日々進歩していく医療技術の習得に励み医療人として、専門職(人)として自己達成・自己完成に向かって自ら主体的・自主的に鍛錬・修行していく)ということになります。

 また高品質医療の達成には、和・敬・省を重視し、各々の分野における人間同志のコミュニケ-ションの技術・技量を高めていくよう修行していくことも重要なことになります。チ-ム医療の重要性を知り、院内多職種それに地域における医療関連多職種との信頼成る関係に基づくチ-ムを構築し、互いに敬意を持ってチーム医療を熟成し、信頼に基づく安全な医療サポ-ト体制を自己内省の中で構造化していくこと、患者や患者家族に対して常に敬意を持って接し、インフォ-ムド・コンセントを基本とした、症状、検査結果、治療計画などを十二分に説明をしながら、医師を始めとする病院職員と患者らとの共同の理解・同意、そしてお互いの協同・協力のもとで医療を進めていく、そのような医療の姿が高品質医療になり得ると考えています。

 良質な健康概念を地域住民と共に考え、地域住民に啓蒙し地域住民のヘルスケアシステムを地域住民と共に創り、地域のひとりひとりが自ら健康管理のできる能力を持った自立した人間として暮らしていくことを支えることが医療人の使命です。私は明るい健康な島づくりに、健康なひとづくりに取り組んでいきたいと考えています。