沖縄県立北部病院院長
久貝 忠男

北部住民の安心できる医療インフラを

新型コロナウイルス禍は経済や社会に大きな変容を迫り、医療界も環境が激変しました。
当院も指定重点医療機関として、入院患者や外来受診を制限しつつも、通常医療とコロナ治療の両立するように懸命に努力しました。
これまで61名(11/18付)のコロナ患者の入院治療を行い、その中にはクラスターの発生した慢性期療養型病院からの受け入れも行いました。
緊急事態宣言で一旦、感染は収まりましたが、11月に入り“第3波”が襲来しています。
“第1波”との大きな違いは「Go to イート」「Go to トラベル」で、経済活動と感染制御の両立が図られていることです。
“二兎を追う”には強靭な医療体制の構築は必須です。一方、新型コロナウイルス感染症の経営に与えた影響は甚大で、受診制限、受診控えで医業収益は激減し、特に当院のような事業規模の小さいところの下落幅が大きくなっています。
減収の一番の原因は患者数の減少ですが、当院はコロナ患者受け入れに対する診療報酬上の特例対応をフル活用して、収益を上げる工夫をしています。
外来ではコロナ疑い診療に「院内トリアージ実施料」、「PCR検査料」の算定、入院では「ICU入院料」、「HCU入院料」、救急医療管理加算などの2倍→3倍→5倍への引き上げ対応、空床確保料の正確な請求などを徹底するようにしました。
しかし、これらはあくまで減収補償であり、臨時的増額だけでは体制整備に費やした負担や平時に入ってきた収入の消失には遥かに及ばない状況です。
しかしながら、多くの国民が経営的に苦しい状況下では医療の損失だけを全面的に補填してもらうことは困難と思われます。
当院も持続的な医療提供のために、公的補助だけに頼ることなく、コロナ下でリセットされた社会で他と異なることに挑戦しなければなりません。
県立病院はそれぞれの地域において、その医療環境に応じた役割を持っていますが、平時でも経営的に苦しい当院の状況下では、内在している慢性的な医師不足は変わることはなく、コロナ禍により、ますます地域に貢献する病院としての真価を実感しました。
そのためには医師不足の解消は焦眉中の焦眉と考えて、攻めの姿勢で未来を切り開きたいと思います。