臨床工学技士とは

臨床工学技士とは、医学と工学の両面を兼ね備えた国家資格を持つ医療専門職です。
生命維持管理装置をはじめとする医療機器の操作、保守管理を主な業務とし医療機器を通じてチーム医療に貢献しています。
今後、ますます高度化、複雑化していく医療機器を安全に扱い、質の高い医療を患者様に提供できるよう、日々業務に励んでいます。

臨床工学士になるためには

臨床工学技士になるには臨床工学技士国家試験に合格する必要があります。
国家試験の受験資格を得るためには、高校卒業後、臨床工学技士養成課程のある養成校(大学・短大・専門学校)で決められた過程を修了する必要があります。
なお、臨床検査技師や看護師などの養成校を卒業していれば、臨床工学科専攻科で1年学ぶことで受験資格が得られます。

当院臨床工学技士の業務

当院の臨床工学科は平成29年に設置され、現在7名の臨床工学技士が在籍しています。
業務内容は慢性期、急性期での臨床技術支援から医療機器管理、機器操作などの技術指導や安全管理などを実施するとともに、北部地区の緊急時医療提供の為、宿直を導入し、医師・看護師とともに対応する体制を整備しています。
沖縄県立病院5病院で最北端に所在する当施設は、沖縄の北部医療圏の拠点病院で沖縄本島(1207Km2)の内、764Km2・人口12万人の医療を担っています。
所属する人数は少ないですが、専門分野以外の業務に携わる機会も増えるため多くの経験を積むことが出来ます。認定資格や、専門士の取得へむけた支援も積極的に行なっています。

血液浄化業務

当院は27台の人工透析用装置を有しており、慢性期から急性期の血液浄化療法をおこなっています。
患者様にとってベストな治療がおこなえるよう、医師、看護師と連携し業務にあたっています。
緊急を要する血液浄化や、ICU、HCUなどでの出張透析もオンコール体制にて24時間対応しています。

◆当院にて施行可能な血液浄化療法
血液透析(HD)・血液透析濾過(HDF)・持続的腎代替療法(CRRT)・血漿交換療法(PE/DFPP)・エンドトキシン吸着(PMX)、顆粒球吸着除去療法(GCAP)・腹水濾過濃縮再静注法(CART)・LDL吸着除去療法など。



心臓カテーテル室業務

心臓カテーテルにおける術野介助、補助循環装置【ECMO(V-A/V-V)・IABP】
IVUS・ポリグラフ操作・デバイス出しなどをおこなっています。
また緊急を要する心臓カテーテル治療/検査もオンコール体制にて24時間で対応しています。
不整脈部門では、EPSやペースメーカー植込みに携わり、ペースメーカー・ICD・CRT・などの植え込み型心臓電気デバイスの外来フォローアップ業務を行っています。



不整脈・デバイス部門

心臓電気生理学的検査やペースメーカー植込みに携わり、医師と連携し安全に検査、手術ができるように補助をします。
ペースメーカー・ICD・CRT・などの植え込み型心臓電気デバイスの外来フォローアップ業務や、遠隔装置を用いた管理業務も行っています。



医療機器管理業務

◆機器の保守管理
ME機器の使用前点検、院内ラウンドによる機器の使用中点検及び稼働状況把握により、医療機器が安全に使用できるよう多職種と連携して業務をおこなっています。
シリンジ・輸液ポンプや、人工呼吸器は貸し出し前の安全点検、ベッドサイドモニタや除細動器などは定期点検を実施し、テレメーターなどはチャンネルを管理しています。
日頃より医療機器を安全に使用できるように努めています。


◆教育、啓蒙活動
看護部と連携し新人看護研修の際に人工呼吸器や輸液ポンプなど、医療機器に関する研修を担当しています。
また各部署の要望に応じた内容、講義方式で勉強会を適宜開催しています。
臨床工学科スタッフにおいてもメーカーさん等に協力して頂き専門的な勉強会を適宜開催しています。


個人の資格

集中治療認定認証工学技士
心血管インターベンション技士
体外循環技術認定士
IBHRH(ペースメーカー関連CDR)
3学会合同呼吸療法認定士 透析技術認定士