単純X線検査

一般X線撮影では胸部や腹部、骨・関節のX線検査を行っています。
X線を使って検査を行いますが、診療放射線技師により各部位ごとに適切な線量で撮影し、被ばくの低減に努めています。
また、妊娠中や妊娠の可能性のある方は撮影前にお知らせください。

【所要時間】
数分程度です

【注意事項】
X線を使用していますので、画像の妨げになるような金属類(ネックレス、ブラジャー、ファスナー等)、プラスチック類(ボタン、湿布等)、は予め取り外し、検査着に着替えて頂きます。
妊娠、又は妊娠の可能性のある方は事前にお知らせ下さい。

【よくある質問】
1.放射線被ばくの心配はないの?
   A.通常のX線検査の撮影では、健康に影響を及ぼすほどの被ばくはありません。
2.妊娠の可能性があるときに検査を受けて大丈夫?
   A.通常のX線検査の被ばく量で胎児に奇形などの影響を及ぼさないことが判明しており、心配は無いとされています。
      しかしX線を用いた検査であるため、原則として妊娠可能な年齢の女性では、妊娠の可能性がない日に受けることが望ましいです。

CT検査

CTとはComputed Tomography(コンピュータ断層撮影)の略語で、X線を体の回りで回転させ、体を透過して検出されたX線量から、体の断面像を得る検査です。
又、断面像のほかに、立体的な3D画像を作成することが出来ます。造影剤という薬を使うことにより、正常構造や病変が明瞭になることもある為、使用することもあります。

【所要時間】
検査部位や検査内容(造影剤使用)によって異なりますが概ね以下の通りです。
・頭部単純 5分
・胸部・腹部単純 5~10分
・その他単純 5~10分
・造影剤使用 25~45分

【注意事項】
X線を使用していますので、画像の妨げになるような金属類(眼鏡、補聴器、義歯、ブラジャー等)は予め取り外し、検査着に着替えて頂きます。
以下の方はCT検査前にお知らせ下さい。
・妊娠、又は妊娠の可能性のある方
・除細動器付ペースメーカーを装着している方
・造影剤を使用する方で、以前に造影剤を使用し気分不良等があった方
・造影剤を使用する方で、喘息、アレルギー歴のある方
・造影剤を使用する方で、糖尿病の薬を服用している方

MRI検査

MRIとはMagnetic Resonance Imaging(磁気共鳴画像)の略称で、非常に強い磁石と電波を利用した画像診断法です。
患者さんには、トンネル状の強力な磁場をもつ、装置の中に入っていただき、電波を当てることにより画像データを得る検査です。
様々な病巣を発見することができますが、特に脳や脊椎、四肢、また子宮・卵巣、前立腺等の骨盤腔に生じた病変に関して優れた描出能が知られています。
任意の断層面が得られ、X線を利用しないので被曝の心配はありません。

【所要時間】
検査部位や検査内容(造影剤使用等)によって異なりますが概ね以下の通りです。
・頭部 20~30分
・脊椎 25~30分
・骨盤 25~30分
・腹部 30~40分
・四肢 30~40分
心臓 40~50分

【注意事項】
直径70cmの円筒の中に入り検査するため、圧迫感を感じられる方もいます。
検査中は「ガンガン」「ビービー」「ドンドン」などかなり大きな音がします。初めて検査される方は「こんなに大きい音がするとは思わなかった」とおっしゃることが多いぐらいです。
検査室内は非常に強い磁場が発生しています。主に金属類ですが、取り外しが可能な物で磁気に引き寄せられ、破損のおそれのある物。画像に影響する物については取り外し、検査着に着替えて頂きます。
撮像中以下の方はMRI検査を受けることが出来る場合と出来ない場合がありますので、事前にお知らせ下さい。
・心臓ペースメーカーを装着している方
・脳動脈クリップ、血管内ステント等、体内に金属物質が留置されている方
・人口内耳、人口中耳を使われている方
・体内に砲弾の破片等のある方
・妊娠、又は妊娠の可能性のある方
・義歯、義眼のある方
・刺青、アイシャドーしている方
・閉所恐怖症の方
その他、不明な点は医師、または技師にお尋ねください。

血管造影検査

血管造影検査は、肘、手首、太もものつけね等からカテーテルと呼ばれる細い管を血管内に挿入して、造影剤を注入し血管のX線撮影を行う検査です。
動脈瘤の有無、血管の狭窄や閉塞、腫瘍の分布や血流状態を知ることが出来ます。近年は、血管内治療(Interventional Radiology:IVR)が盛んに行われるようになり、
血管を風船(バルーン)や、金属の管(ステント)で拡げたり、針金(コイル)で詰めたりする治療も行われています。
又、当院では同室に設置してあるCT装置で体の断面像を得ることができ、より早く詳しく、高度な検査・治療が可能です。

【所要時間】
検査部位・内容、治療部位・内容により異なりますが、概ね1~3時間です。

【注意事項】
血管内に管を入れる侵襲的検査ですので、当院では入院での検査・治療となります。

X線透視検査

造影剤などを用いX線で体内を透視しながら、その様子をリアルタイムに観察、撮影する検査です。
よくご存知の、胃のバリウム検査が代表されます。
近年は内視鏡を使用した検査・治療の補助的役割や、整形外科の骨折・脱臼の検査・治療、泌尿器科・小児科の検査等、様々な検査・治療を行っています。

【所要時間】
検査部位・内容、治療部位・内容により異なりますが、概ね30分~3時間程度です。

骨塩定量検査

骨塩定量検査(Bone Mineral Density:骨密度)は、骨に含まれるカルシウム等のミネラル成分の量を測定する検査です。
骨粗鬆症や代謝性骨疾患の診断に役立ちます。また、骨の健康状態を数値化することで、骨量の減少を早期に発見し、適切な予防や治療を行うことにつながります。
当院ではDXA法(Dual-Energy X-ray Absorptiometry)で、2種類のエネルギーのX線透過率の差から骨量を測定します。
筋肉や脂肪等の厚みに影響を受けず骨の成分だけを抽出できるため、体格等に左右されない安定した値を得ることが出来ます。

【所要時間】
測定時間は5分程度です。検査室退出までは概ね20~30分です

【注意事項】
微量のX線を使用しているので被ばく量もわずかです。又、金属類やボタン等は検査の妨げになるので、検査着に着替えて頂きます。

歯科用X線検査

【パノラマ撮影(パントモグラフィー)】
歯や顎骨曲面を1枚の画像として、描出する検査です。隣接歯との重なりもほとんどなく、上下顎骨全体を見るのに効果的です。
又、顎関節の機能撮影も可能です。基本的に立位で検査は行わせて頂きますが、車椅子での撮影も可能です。

【セファロ撮影(頭部規格撮影)】
歯の矯正治療等で噛み合わせを見る為に使用する撮影です。距離や撮影条件、処理条件が一定基準により規格化されています。
撮影の際、両耳にイヤーロッドと呼ばれる固定具を挿入して撮影する為、耳が窮屈だったり、少し痛いかもしれません。

【所要時間】
パノラマ撮影 10~20分
セファロ撮影 10~20分

【注意事項】
パノラマ撮影時は頭の周囲を撮影装置が一周しますので、頭や口を動かさないようお願いします。
又、顎関節撮影やセファロ撮影は、両耳にイヤーロッドと呼ばれる固定具を挿入して撮影します。
妊娠、妊娠の可能性のある方は事前にお知らせ下さい。
金属類、メガネ、ネックレス、ピアス、義歯は検査前に外して下さい。

診療放射線技師になるために

診療放射線技師になるためには,国家資格が必要です。「診療放射線技師国家試験」に合格しなければいけません。
国家試験は、文部科学大臣指定の大学(4年)や短期大学(3年)、厚生労働大臣指定の専門学校(3年または4年)で診療放射線技師養成課程を学び、卒業した人が受験資格を得ることができます。
(現在、沖縄県内には養成課程のある学校はありません。)
国家試験は毎年1回、2月に行われていて、合格率は新卒者で約94%(令和4年)です。

【県立病院に在籍している放射線技師の主な出身校】
  • <国公立大学>
  • 弘前大学
  • 金沢大学
  • 新潟大学
  • 徳島大学
  • 首都大学東京
  • 茨城県立医療大学
  • 群馬県立県民健康科学大学 他
  • <私立大学>
  • 国際医療福祉大学
  • 藤田保健衛生大学
  • 鈴鹿医療科学大学
  • 北里大学
  • 岐阜医療科学大学
  • 駒澤大学
  • 純真学園大学
  • 徳島文理大学
  • 日本医療科学大学 他
  • <短期大学>
  • 駒沢短期大学
  • 徳島大学医療技術短期大学部
  • 京都医療技術短期大学
  • 川崎医療技術短期大学
  • 岐阜医療技術短期大学 他
  • *現在すべて4年制へ移行しています。
  • <専門学校>
  • 城西放射線技術専門学校
  • 東京電子専門学校
  • 国際医学総合技術学院
  • 中央医療技術専門学校
  • 東海医療技術専門学校
  • 帝京大学附属放射線学校
  • 日本文理大学医療専門学校
  • 近畿医療技術専門学校
  • 神戸総合医療専門学校
  • 鹿児島医療技術専門学校 他
*大学へ移行している学校もあります。
*学校名が変更になっている場合があります。

診療放射線技師の仕事について


日本放射線技師会 「みんなに知ってもらいたい放射線技師のこと」
http://www2.jart.jp/rent/